
MBTIは信頼できる?科学的根拠と正しい活用方法【2025年版】
MBTIは信頼できる?科学的根拠と正しい活用方法【2025年版】
「MBTIって本当に信頼できるの?」「科学的根拠はあるの?」と疑問に思っていませんか?
MBTIは世界中で広く使われている性格診断ですが、実は科学的な観点からは批判も多いツールです。しかし一方で、自己理解やキャリア選択には十分に役立つという意見もあります。
この記事では、MBTIの科学的根拠について、批判と擁護の両面から客観的に解説します。そして、MBTIを就活・キャリア選択で正しく活用する方法をお伝えします。

この記事で分かること
- MBTIの科学的根拠と批判の内容
- 信頼性・妥当性の問題点
- MBTIとビッグファイブの違い
- 就活・キャリア選択での正しい活用法
読了時間: 約9分
目次
- MBTIへの主な批判:科学的根拠の問題
- 信頼性と妥当性の具体的な数値
- MBTIとビッグファイブの違い
- それでもMBTIが人気な理由
- MBTIの正しい活用法
- 就活・キャリア選択での使い方
- まとめ:バランスの取れた活用を
MBTIへの主な批判:科学的根拠の問題
アメリカ心理学会の見解
アメリカ心理学会(APA)が発行している『APA心理学大辞典』では、MBTIについて**「心理学研究者の間ではほとんど信頼性がない」**と記されています(2025年現在)。
4つの主な批判ポイント
心理測定学の観点から、MBTIには以下の4つの問題点が指摘されています。
批判1: 測定の有効性が乏しい
問題点:
- 測定対象を正確に測定していない
- 将来の行動を予測する力が弱い
- 一般化できる項目が少ない
具体例: 「外向型」と診断されても、実際に社交的な行動を取るかは別問題。診断結果と実際の行動が一致しないケースが多い。
批判2: 再テスト信頼性が低い
問題点: 同じ人が数週間後に再度診断を受けると、30-50%の人が異なるタイプに分類されるという研究結果があります。
具体例: 今日「INFJ」と診断された人が、1ヶ月後に再度受けると「INFP」になるケースがある。
批判3: 独立していない特性を分けている
問題点: MBTIの4つの指標(E/I、S/N、T/F、J/P)は、実際には互いに相関しているにもかかわらず、独立したものとして扱われています。
具体例: 「内向型(I)」と「直観型(N)」は相関が高いのに、別々の指標として測定される。
批判4: 神経症傾向が含まれていない
問題点: ビッグファイブ理論では重要な要素とされる**「神経症傾向(情緒安定性)」**が、MBTIには含まれていません。
影響: ストレス耐性や感情の安定性など、仕事のパフォーマンスに大きく影響する要素が測定されない。
「疑似科学」との批判
これらの問題点から、MBTIは一部の心理学者から**「疑似科学」**として批判されています。
疑似科学とは: 科学的な根拠が不十分であるにもかかわらず、科学的であるかのように見せているもの。
信頼性と妥当性の具体的な数値
信頼性(Reliability)
信頼性とは、「同じ人が何度受けても同じ結果が出るか」を示す指標です。
MBTIの再テスト信頼性
心理測定の分野では、0.8〜0.9の信頼性が期待されますが、MBTIの実際の数値は以下の通りです:
| 指標 | 再テスト信頼性 | 評価 | 
|---|---|---|
| E/I(外向-内向) | 0.78 | やや低い | 
| S/N(感覚-直観) | 0.69 | 低い | 
| T/F(思考-感情) | 0.69 | 低い | 
| J/P(判断-知覚) | 0.74 | やや低い | 
結論: MBTIの信頼性は「中程度」であり、理想的な水準には達していません。
妥当性(Validity)
妥当性とは、「測定したいものを正確に測定できているか」を示す指標です。
MBTIの妥当性
多くの研究で、MBTIの妥当性は**「低程度から中程度」**と評価されています。
具体的な問題:
- 「外向型」と診断されても、実際の社交性と必ずしも一致しない
- 「判断型」と診断されても、計画的な行動を取るとは限らない
MBTIとビッグファイブの違い
ビッグファイブとは?
**ビッグファイブ(Big Five)**は、心理学の分野で最も信頼性が高いとされる性格理論です。
ビッグファイブの5つの要素
- 開放性(Openness): 新しい経験への開放度
- 誠実性(Conscientiousness): 責任感、計画性
- 外向性(Extraversion): 社交性、活発さ
- 協調性(Agreeableness): 他者への配慮、協力性
- 神経症傾向(Neuroticism): 情緒の安定性、ストレス耐性
MBTIとビッグファイブの比較
| 項目 | MBTI | ビッグファイブ | 
|---|---|---|
| 科学的根拠 | 中程度 | 高い | 
| 信頼性 | 中程度(0.69-0.78) | 高い(0.8以上) | 
| 妥当性 | 低〜中程度 | 高い | 
| 分類方法 | 16タイプ | 5つの連続スコア | 
| 使いやすさ | 分かりやすい | やや専門的 | 
| 普及度 | 非常に高い | 学術分野で高い | 
どちらを使うべき?
MBTIが向いているケース
- ✅ 自己理解の第一歩として
- ✅ チームビルディングやコミュニケーション改善
- ✅ キャリア選択の参考情報
ビッグファイブが向いているケース
- ✅ 学術研究
- ✅ 企業の人材評価
- ✅ 本格的な心理カウンセリング
それでもMBTIが人気な理由
科学的根拠に問題があるにもかかわらず、MBTIが世界中で人気な理由は何でしょうか?
理由1: 分かりやすい
16タイプの分類は、直感的で理解しやすいです。
- ✅ 「私はINFJ(提唱者)です」と簡潔に説明できる
- ✅ 各タイプの特徴が具体的に記述されている
- ✅ 他人のタイプと比較しやすい
ビッグファイブとの違い: ビッグファイブは5つの連続スコアで表されるため、「私は開放性75点、誠実性60点…」と複雑になる。
理由2: 自己理解のきっかけになる
MBTIは、自分の思考・行動パターンを振り返る良いきっかけになります。
具体例:
- 「自分は内向型だから、一人の時間が必要なんだ」と気づく
- 「思考型だから、論理的に考える傾向があるんだ」と理解する
理由3: コミュニケーション改善に役立つ
職場やチームで、お互いの違いを理解する共通言語として機能します。
具体例:
- 「Aさんは外向型だから、会議で積極的に発言するんだね」
- 「Bさんは判断型だから、計画を重視するんだね」
理由4: ポジティブな自己イメージ
MBTIは、どのタイプも平等に価値があるという前提に立っています。
- ✅ 「良い・悪い」で判断しない
- ✅ 各タイプの強みに焦点を当てる
- ✅ 自己肯定感を高める効果
MBTIの正しい活用法
科学的根拠に限界があることを理解した上で、MBTIを正しく活用する方法を解説します。
活用法1: 「参考情報」として使う
❌ 悪い使い方:
- 「私はINFJだから、営業職は絶対に無理」
- 「MBTIで適職が〇〇と出たから、他の選択肢は考えない」
✅ 良い使い方:
- 「MBTIでは内向型だけど、実際に営業を経験してみよう」
- 「診断結果を参考に、いくつかの選択肢を比較しよう」
活用法2: 自己理解のツールとして使う
MBTIは、自分自身を客観的に見つめ直すきっかけとして活用しましょう。
自己理解のステップ
- 診断を受ける
- 結果を読んで、自分に当てはまる部分を確認
- 「なぜそう感じるのか?」を深掘りする
- 他の自己分析ツールと組み合わせる
活用法3: 定期的に見直す
MBTIの結果は固定されたものではありません。
見直しのタイミング
- 就活・転職などのライフイベント前後
- 新しい環境に移った後(大学入学、社会人デビューなど)
- 半年〜1年に1回
活用法4: 他のツールと組み合わせる
MBTIだけに頼らず、複数の自己分析ツールを併用しましょう。
おすすめの組み合わせ
| ツール | 目的 | 
|---|---|
| MBTI | 思考・行動パターンの理解 | 
| ストレングスファインダー | 強みの発見 | 
| エニアグラム | 深層心理の理解 | 
| ビッグファイブ | 科学的な性格測定 | 
就活・キャリア選択での使い方
ステップ1: 自己分析の第一歩として活用
MBTIは、自己分析の入り口として最適です。
自己分析シートの作成
| 項目 | 内容 | 
|---|---|
| MBTIタイプ | 例: INFJ-T | 
| 強みと思う点 | 例: 深い共感力、長期的視点 | 
| 弱みと思う点 | 例: 完璧主義すぎる | 
| 実際の経験との一致 | 例: ボランティアで共感力を発揮した | 
| 実際の経験との不一致 | 例: グループワークでリーダーもできた | 
ステップ2: 自己PRの参考にする
診断結果をそのまま書くのではなく、エピソードと組み合わせます。
自己PRの例(ISTJ・管理者の場合)
❌ 悪い例:
「私はISTJです。几帳面で責任感が強いタイプです。」
✅ 良い例:
「私の強みは、細部にまで気を配る正確性と責任感です。大学のゼミでは、資料作成係として、データの誤りをゼロにすることにこだわり、教授から『信頼できる仕事ぶり』と評価されました。御社でも、正確性を武器に貢献したいと考えています。」
ステップ3: 企業選びの参考にする
MBTIの結果を参考に、自分に合った職場環境を考えます。
企業選びのチェックリスト
内向型(I)の場合:
- テレワーク・フレックス制度はあるか?
- 静かな作業環境があるか?
- 一対一のコミュニケーションが中心か?
外向型(E)の場合:
- チームワークを重視する文化か?
- 社内イベントや交流の機会が多いか?
- 活気のあるオフィス環境か?
直観型(N)の場合:
- 新規プロジェクトが多いか?
- 創造性を発揮できる環境か?
- 理論・戦略を考える機会があるか?
感覚型(S)の場合:
- 明確なルール・手順があるか?
- 実践的な業務が中心か?
- 具体的な成果が見えるか?
ステップ4: 面接での伝え方
MBTIを直接伝える必要はありません。
面接での活用法
面接官の質問: 「あなたの強みは何ですか?」
❌ 悪い回答:
「MBTIでINFJと診断されたので、共感力が強みです。」
✅ 良い回答:
「私の強みは、相手の立場に立って考える共感力です。アルバイト先では、お客様の本当のニーズを聞き取ることで、満足度向上に貢献しました。」
ゆめスタからのアドバイス
株式会社ゆめスタは、高卒採用・就活支援で多くの実績があります。その経験から、以下のアドバイスをお伝えします。
高校生へのメッセージ
MBTIは参考程度に。実際に色々な仕事を体験(インターンシップ、アルバイトなど)して、自分に合うかを確かめることが大切です。
大学生・就活生へのメッセージ
MBTIの結果に縛られず、「やってみたい」と思った仕事にはチャレンジしてください。診断結果と異なる職種で成功している人も多くいます。
まとめ:バランスの取れた活用を
この記事では、MBTIの科学的根拠と正しい活用方法について解説しました。
要点のおさらい
- 科学的根拠: MBTIには批判も多く、信頼性・妥当性は「中程度」
- それでも人気: 分かりやすく、自己理解のきっかけになる
- 正しい活用法: 参考情報として使い、他のツールと組み合わせる
- 就活での使い方: 自己PRや企業選びの参考に(絶対視しない)
MBTIとの付き合い方
✅ やるべきこと
- 自己理解のきっかけとして活用
- 定期的に見直す
- 他の自己分析ツールと組み合わせる
- 実際の経験と照らし合わせる
❌ やってはいけないこと
- 結果を絶対視する
- 「〜だからできない」と決めつける
- 診断結果だけで人生を決める
- 他人を診断結果だけで判断する
今日からできる3つのアクション
- MBTIと他の自己分析ツールを併用する
- 診断結果と実際の経験を照らし合わせる
- 自分に合った職場環境をリストアップする
あなたのMBTIタイプを診断してみませんか?
完全無料・約5分で、あなたの性格タイプが分かります。
自己理解の第一歩として、まずは診断を受けてみましょう。
執筆日: 2025-10-26 更新日: 2025-10-26 カテゴリ: MBTI基礎知識 タグ: MBTI, 性格診断, 科学的根拠, 信頼性, 妥当性, ビッグファイブ, 自己分析 執筆: 株式会社ゆめスタ コンテンツチーム
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